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日本人にとっての歯周病の難しさ
以前、ある会場でお会いしたフランス人の女性から指摘されたことがあります。
それは、「日本の歯医者は、やたらとメンテナンスを勧める。なんでそんなに定期検診を勧めるのか?」というものでした。
実は、海外では歯科の診療は非常に高いことが多いです。それが故に、セルフメンテナンスを重視する傾向にあります。顕著なのがアメリカで、都内で勤務していたいときに、一時帰国した会社員の方が、「アメリカでメンテナンスをお願いするより、自費でクリーニング(当時は、1万円頂いてました)した方が安い」と言われました。そのため、日本よりアメリカの方が、洗口剤(リステリンやモンダミンに代表されるもの)が良く売れています。そのくらい、歯科の値段は高いようです。
ただ、それだけでは無い、理由があります。
それは、日本人の顎の骨にあります。
現在、歯科医療において歯周病が進んでしまった場合、骨を作り直す手段は、かなり増えてきました。しかしながら、日本では、あまり浸透しているようには感じられません。
それは、日本人と欧米人では、顎が違うため、成功率が変わってしまうことにあります。そもそも、日本人は、欧米人に比べ、顎の骨が細く、骨を作りにくい状態なのです。だからこそ、予防することが非常に大切になります。
また歯周病は、あくまでも感染症として、歯周病の病原菌がメインとして体内に慢性的な炎症を発生させるものです。これは、糖尿病や心臓病など多くの慢性疾患に関連することがわかっています。
海外のように、セルフメンテナンスが進んでいる国と違い、アクセスフリーをメインとしている日本の医療体制は、病気になると病院に行って薬を貰うことが常識となっています。日本の保険体制は、“治療”をメインとして作り上げられて背景があるため、“予防”に対しては、後付けになっていることを表しています。今は予防の大切さを訴えていますが、それでも、まだまだ浸透していないのが実状です。