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歯周病菌の話 その1

だいぶ前の話になりますが、DHAやEPAが取り上げられ、お魚の脂肪が身体によいという情報が流れました。実は似通った時期に、慢性炎症という問題が研究されていました。実はこの、慢性炎症が、体に悪い影響を及ぼしている事がわかっていた時期でもあります。

そして、その中でも、歯科でよく出会うものは歯周病です。近年、歯周病が多くの問題を引き起こすことがわかってきました。心臓病や糖尿病、さらには認知症との関りがわかってきたのです。

 

この歯周病、実は多くの細菌が関わって起こっていることがわかっています。

代表的に最近は3つあるのですが、その中でも一番気をつけないといけないと言われているのはPorphyromonas gingivalis(P.g菌)です。

この細菌、実は非常に厄介なのですが、その一つにジンジパインという酵素を出します。この酵素は、コラーゲンを分解する力を持っており、その分解能力は、よく肉を柔らかくすることに使われるパイナップルの酵素より強い力を持っています。結果として、歯肉の中に深く入り込む力を手に入れ、口の中だけでなく、体の中に入り込み様々な悪さをするのです。実際、アルツハイマー病で亡くなった方の脳組織からもP.g菌の見つかったこともあります。そのため、定期的にクリーニングを繰り返し、その細菌を減らしていく必要があるのです。

歯周病菌の問題は、まだまだあるのですが、話が長くなるので、また別の機会にお話をしたいと思います。

 

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