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口腔内環境と寿命の話

先日、TikTokにて口腔内環境が命に関わる話をあげました。

スタッフの提案とはいえ、内容がハードなため、公開するか、かなり悩んだ動画となりました。

実は、虫歯や歯周病で命を落としたと思われる偉人は意外と多いです。代表として、昨年の大河ドラマで取り上げられていた源頼朝公や、新撰組の永倉新八がいます。

永倉新八は、幕末の激戦を潜り抜けたにも関わらず、最後は虫歯が原因で亡くなったと言われています。正確には、虫歯が悪化して、敗血症を起こしたようです。簡単に言うと虫歯が悪化し、体の中に細菌が入り込んで、死に至ってしまったというわけです。新選組の中でも、腕の立つ組長だったと言われている永倉新八の命を奪ったのは、刀でも銃でもなく、細菌だった訳です。

源頼朝公については、もっと詳しくわかっています。落馬により死に至ったという考えが伝わっていますが、実はそれよりも前に、歯の疾患を患っていたことが知られています。吾妻鏡によると建久五年八月のこと、歯の痛みにより飛び起きたことが記されています。その後京都の医師に治療法を尋ね、薬を飲んだことも記録されています。また、病気を治したい一心で、祈祷もさせているのです。どうやら、重度の歯周病が疑われるのが、落馬の件となります。どうやら平坦な道で、落馬をしたということですが、これは、噛み合わせが悪くなると転倒しやすいという最近の見地と一致しています。さらに、落馬後に、水を飲んだところ、病状が悪化したとのことで、どうやら誤嚥性肺炎を起こしたのではないか?と疑われています。

当時の平均寿命が60歳と言われており、53歳で亡くなった頼朝公は、口腔環境の悪化により寿命を縮めてしまったと言わざるをえません。

当時は、歯科治療は、確立しておらず、今以上に命に直結した病だったということです。

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